20万円以下の副業も年末調整は必要か?|重要点5つを解説

「副業の収入が20万円以下なら、税金の手続きは一切しなくていい」と勘違いしていませんか。

所得税の確定申告は不要でも住民税の申告手続きは必要です。

所得税には「20万円以下の申告不要制度」がありますが、住民税にはそのような免除ルールが存在しないからです。

この記事を読むことで、複雑な税金の仕組みを理解し、会社にバレるリスクを回避しながら安心して副業に取り組める状態になるでしょう。

目次

会社にバレる最大の原因|年末までに確認するべき3つのポイント

副業が会社にバレてしまう原因の多くは、住民税の金額の変化や手続きの不備にあります。

年末までに以下のポイントを確認し、事前に対策をしておけば、予期せぬトラブルを防げるでしょう。

  1. 住民税の申告方法
  2. 経費計上の準備
  3. 副業収入の正しい計算

それぞれ解説していきますので、参考にしてください。

1.住民税の申告

会社に副業がバレる最大の理由は、住民税の通知が会社に届いてしまう点です。

通常、会社員の住民税は給料から天引きされる特別徴収という形で納められています。

しかし、副業分の住民税が合算されて会社に通知されると、給与に対して住民税が高すぎる、と経理担当者に気づかれる原因になります。

会社への通知を防ぐためには、確定申告や住民税の申告を行う際に、徴収方法を普通徴収(自分で納付)に切り替える手続きが必要です。

普通徴収を選択すれば、副業分の住民税納付書が自宅に届くため、会社に知られることはありません。

年末調整の時期ではなく、年明けの申告時期に必ず意識すべき最重要ポイントです。

2.経費計上の準備

副業の所得を正しく計算するためには、経費の計上が欠かせません。

税金の対象となる所得は、売上から経費を差し引いた金額で決まるからです。

たとえば、売上が25万円あっても、経費が6万円かかっていれば所得は19万円となり、所得税の確定申告は不要になります。

正しく計算するためには、以下のような副業に関わる出費の領収書やレシートを年末までに整理しておく必要があります。

  • パソコン代
  • 通信費
  • 参考書籍代 など

クレジットカードの明細や銀行の入出金記録も、経費を証明する大切な資料です。

漏れなく経費を計上すれば、節税効果を高めると同時に、申告の手間を減らせるでしょう。

3.副業収入の計算

自分が「20万円以下」の対象かどうかを判断するには、正確な収入計算が必要です。

多くの人が間違いやすいのが、口座に入金された金額だけで判断してしまう点です。

実際には、1月1日から12月31日までに稼いだことが確定した金額(実現主義)で計算する必要があります。

たとえば、12月に作業をして納品し、入金が翌年1月の場合でも、その売上は当年の収入としてカウントしなければなりません。

また、クラウドソーシングなどを利用している場合、手数料が引かれる前の総支給額が売上となります。

年末ギリギリになって慌てないよう、今のうちから年間の収支計算を始めておきましょう。

副業の収入が20万円以下・以上で変わる年末調整5つの注意点

副業の所得が20万円というラインは、税務処理において非常に大きな意味を持ちます。

金額によって手続きの要否や注意すべき点が大きく異なるため、以下の5つのポイントを正しく理解しておきましょう。

  1. 所得税の確定申告の義務
  2. 住民税の申告の必要性
  3. 会社へバレるリスクの度合い
  4. 還付金の有無
  5. 開業申請の判断

それぞれ解説していきますので、参考にしてください。

1.所得税の確定申告の義務

国に納める所得税の確定申告が必要な点には注意が必要です。

副業の所得(売上-経費)が年間20万円を超える場合は、必ず税務署へ確定申告を行わなければなりません。

一方で、所得が20万円以下の場合は、特例として所得税の確定申告が不要です。

ただし、申告不要の特例はあくまで確定申告をしなくてもよいというだけであり、他の税金の手続きまで免除されるわけではありません。

また、医療費控除やふるさと納税などで確定申告を行う場合は、20万円以下の副業所得もすべて記載する必要があります。

「申告不要=何もしなくていい」ではない点を、しっかりと認識しておきましょう。

2.住民税の申告の必要性

所得税とは異なり、住民税には20万円以下の免除ルールが存在しません。

副業の利益がたとえ1万円であっても、お住まいの市区町村へ住民税の申告が必要です。

もし確定申告を行わない場合、役所の市民税課などで別途手続きをしなければなりません。

役所への手続きを怠ると申告漏れとなり、後から延滞金を含めた税金を請求されるリスクがあります。

確定申告が不要だから住民税も関係ない、という思い込みは、非常に危険です。

少額でも利益が出ている以上、地方自治体への報告義務があることを忘れないでください。

3.会社へバレるリスクの度合い

副業収入の額に関わらず、申告手続きの方法を間違えると会社にバレるリスクが高まります。

特に所得が20万円を超えて確定申告をする際、確定申告書の住民税の徴収方法の選択を間違えると危険です。

逆に、20万円以下で確定申告をせず、住民税の申告もしなかった場合、役所からの問い合わせが会社に行く可能性もゼロではありません。

最も安全なのは、金額にかかわらず正しく申告し、確実に自分で納付を選択することです。

適正に処理をおこなっていれば、会社に通知が行く内容は本業の給与所得に関する部分のみに留められます。

リスク管理の観点からも、正しい知識を持って自分から動くことが重要です。

4.還付金の有無

副業先で報酬からあらかじめ源泉徴収がされている場合、申告によって税金が戻ってくる可能性があります。

ライターやデザイナーなどの職種では、報酬支払時に10.21%の所得税が引かれているケースが一般的です。

もし年間の所得に対する税額が、すでに引かれた源泉徴収額より少ない場合、確定申告をすれば払いすぎた税金が還付されます。

所得が20万円以下であっても、あえて確定申告をした方が金銭的に得なケースと言えるでしょう。

自分の報酬明細を確認し、源泉徴収されているか・いくら引かれているかをチェックしてみましょう。

5.開業申請の判断

所得が20万円を超えて継続的に収益が上がるようなら、個人事業主としての開業届の提出を検討すべき時期です。

開業届を出して青色申告の承認を受ければ、最大65万円の特別控除が受けられるようになります。

特別控除により、所得税や住民税を大幅に節約できるため、手元に残るお金が増えます。

20万円以下であれば急いで提出する必要性は薄いですが、将来的に副業を拡大したいなら早めの準備がおすすめです。

開業届は税務署に提出するだけで、手数料もかからず簡単に手続きできます。

副業を事業として捉えるかどうかが、今後の税金対策を左右する分かれ道になります。

確定申告時に影響|副業による所得で変わる税種別や税率について

副業で得た収入がどのような所得に分類されるかで、税金の計算方法や節税の仕組みが変わります。

ここでは、副業における税金の種類の違いや、計算の仕組みについて詳しく解説します。

  • 事業所得か雑所得かで変わる税率と控除
  • 所得税と住民税の税率の仕組みと違い
  • 損益通算が所得税額に与える影響

事業所得か雑所得かで変わる税率と控除

副業の収入は、主に雑所得か事業所得に分類されます。

一般的な会社員の副業レベルであれば雑所得になる場合が多く、特別な控除がありません。

一方、継続的かつ安定した収入があり、社会通念上の事業と認められれば事業所得として申告可能です。

事業所得の最大のメリットは、青色申告特別控除や青色専従者給与などの強力な節税策が使える点です。

ただし、事業所得として認められるには記帳・帳簿書類の保存など、要件が厳格化されています。

自分の副業がどちらに該当するかは、税務署の判断基準や過去の判例を参考にしましょう。

所得税と住民税の税率の仕組みと違い

所得税と住民税は、税率の決まり方が根本的に異なります。

所得税は累進課税といって、所得が増えれば増えるほど税率が5%から45%まで段階的に上がります。

つまり、本業と副業を合わせた所得が高い人ほど、副業で稼いだ分にかかる税負担も重くなる仕組みです。

住民税は、所得の額に関わらず一律で約10%(都道府県民税+市区町村民税)と決まっています。

所得税がかからないような少額の副業収入であっても、住民税は確実に10%分発生します。

2つの仕組みの違いを理解しておくと、手元にいくら残るかの資金計画が立てやすくなるでしょう。

「損益通算」が所得税額に与える影響

副業が事業所得として認められる場合、損益通算という仕組みを利用できます。

損益通算は、副業で赤字が出た場合に、その赤字分を本業の給与所得から差し引いて計算できるルールです。

結果として、本業の課税所得が減るため、給与から天引きされていた所得税が還付される可能性があります。

しかし、雑所得ではこの損益通算が認められておらず、副業の赤字は単に0円として扱われます。

節税目的で副業を行う場合、損益通算ができるかどうかが非常に大きなポイントとなります。

ただし、過度な節税目的の赤字申告は税務署の調査対象になりやすいため、注意が必要です。

確定申告の必要書類|書き方のポイント3点

確定申告を自分で行う場合、いくつかの書類を作成・提出する必要があります。

書き方で注意してほしいポイントは以下の3つです。

  1. 収支内訳書
  2. 所得額
  3. 住民税の選択項目

1.収支内訳書の書き方

収支内訳書は、1年間の売上と経費を集計し、最終的な所得を算出するための書類です。

収入金額の欄に、取引先から得た売上の合計額を記入します。

次に経費の欄に、科目ごと(消耗品費、通信費、旅費交通費など)に集計した金額を記入していきましょう。

重要なのは、プライベートな支出と事業用の支出を明確に分ける点です。

自宅で作業している場合の家賃や電気代は、使用した面積や時間に応じて「家事按分」を行い、事業に使用した分だけを経費計上します。

根拠のない数字を書くと税務調査で指摘されるため、必ず領収書などの証拠に基づいた数字を記載してください。

2.所得額の書き方

確定申告書には、本業の給与所得と副業の所得をそれぞれ正しく記載する必要があります。

本業の所得については、会社から配られる源泉徴収票の給与所得控除後の金額を転記します。

副業の所得は、作成した収支内訳書の所得金額(売上-経費)を記入します。

記入後にすべてを合算した金額が、その年のあなたの総所得金額となります。

また、源泉徴収票にある「源泉徴収税額」も忘れずに記載すれば、二重に税金を払うことを防げます。

数字の転記ミスは計算間違いに直結するため、慎重に確認しながら記入しましょう。

3.住民税の選択項目の書き方

会社に副業がバレたくない人にとって、住民税の選択項目の書き方は最も重要です。

確定申告書の第二表(または住民税に関する事項)にある、住民税・事業税に関する事項という欄を探してください。

給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択肢で、自分で納付に必ずチェックを入れましょう。

自分で納付を選択しておけば、副業分の住民税通知が自宅に届くようになり、会社の給与から天引きされなくなります。

もし特別徴収(給与から差引き)を選んでしまうと、会社に合算通知が届き、副業がバレてしまう原因となります。

提出前の最終チェックで、絶対に確認するようにしてください。

もう確定申告で困らない|おすすめの手順3ステップ

確定申告は複雑で面倒なイメージがありますが、最新のツールを使えば驚くほど簡単に完了します。

効率的に申告を終わらせるための、おすすめの3ステップを紹介します。

  1. クラウド会計ソフトを導入して自動化する
  2. マイナンバーカードとカードリーダーを用意する
  3. e-Taxを利用して自宅から申告を完了させる

1.クラウド会計ソフトを導入して自動化する

日々の帳簿付けを劇的に楽にするのが、クラウド会計ソフトの導入です。

銀行口座やクレジットカードを連携させるだけで、日付や金額、勘定科目を自動で推測して入力してくれます。

手入力の手間が省けるだけでなく、計算ミスや入力漏れも防げるため、初心者には特におすすめです。

また、簡単な質問に答えていくだけで、確定申告書や収支内訳書を自動作成する機能も備わっています。

月額千円程度で利用できるサービスが多く、確定申告の時期だけ契約することもできます。

貴重な時間を事務作業で浪費しないためにも、ツールの力を積極的に活用しましょう。

2.マイナンバーカードとカードリーダーを用意する

自宅からネットで申告を行うためには、本人確認のためのマイナンバーカードが必須です。

マイナンバーカードがあれば、税務署に行ってID・パスワードを発行してもらう手間が不要になります。

PCで申告する場合は、カードを読み取るためのICカードリーダーも必要ですが、数千円で購入可能です。

また、スマートフォン自体がカードリーダーの代わりになる機能も普及しています。

スマホとPCを連携させれば、専用機器を買わずにマイナンバーカードを読み取ることもできます。

申告する直前になって慌てないよう、カードの暗証番号などを事前に確認しておきましょう。

3.e-Taxを利用して自宅から申告を完了させる

国税庁が提供するe-Tax(電子申告)を利用すれば、税務署へ行く必要は一切ありません。

会計ソフトで作ったデータをe-Taxに送信するだけで、24時間いつでも自宅から申告が完了します。

紙での提出に比べて、添付書類の省略が可能だったり、還付金の振込が早かったりとメリットが豊富です。

税務署の開庁時間に合わせる必要もなく、混雑した会場に並ぶストレスからも解放されます。

一度やり方を覚えてしまえば、翌年からは数クリックで終わるほど簡単です。

会社にバレないための自分で納付する項目へチェックも画面上で確実に選択できるため、安心して申告できます。

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副業は孤独な戦いになりがちですが、仲間がいるとモチベーションも維持しやすくなります。

安心して副業を続け、収入を伸ばしていきたい方は、ぜひ参加を検討してみてください。

まとめ

本記事では、副業収入が20万円以下の場合の年末調整や確定申告について解説しました。

最後に、記事の重要なポイントをまとめます。

  • 副業分は会社の年末調整では処理できない
  • 所得税は20万円以下なら申告不要だが、住民税は1円でもあれば申告必須
  • 会社にバレないためには住民税を「自分で納付」にすることが最重要
  • 源泉徴収されている場合は、還付金を受け取るために確定申告すべき
  • 会計ソフトとe-Taxを使えば、自宅で簡単に手続きが完了する

少額だから大丈夫と放置せず、正しい知識を持って手続きすることが、会社バレのリスクをゼロにする唯一の方法です。

まずは去年の領収書を整理し、今年の所得がいくらになるか計算するところから始めてみましょう。

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この記事を書いた人

金子 慎一郎のアバター 金子 慎一郎 フリーランス

埼玉県在住、業務改善コンサルタント。
現場27年で培った経験から、企業の様々な業務の目的に合わせた「仕組みづくり」をサポートしている。
座右の銘は「人間万事塞翁が馬」。

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